新生血管緑内障(しんせいけっかんりょくないしょう)とは?

緑内障

新生血管緑内障とは、目の虹彩や隅角(ぐうかく)と呼ばれる部分に

異常な新しい血管(新生血管)ができてしまうことで起こる、

非常に重いタイプの緑内障です。

通常の緑内障は、眼圧(目の中の圧力)が高くなることで視神経が障害され、

視野が欠けていく病気ですが、新生血管緑内障は、さらに

目の内部に新しくできた異常な血管が原因で眼圧が急激に上昇します。

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新生血管緑内障の原因

この病気は、以下のような他の病気が原因で起こることが多いです。

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

糖尿病が原因で目の血管が障害され、新しい異常な血管ができる。

網膜中心静脈閉塞症(もうまくちゅうしんじょうみゃくへいそくしょう)

網膜の静脈が詰まり、血流が悪くなり新生血管が増殖する。

網膜剥離(もうまくはくり)や重度の眼内炎

網膜が剥がれたり、目の中の炎症が原因で新生血管が発生する。

これらの病気によって、酸素不足になった目の組織が、

無理に新しい血管を作ろうとするのですが、その新しい血管は非常に脆く、

正常な構造を壊してしまうのです。

新生血管緑内障の特徴と症状

この病気の怖い点は、急激に進行することと、失明につながるリスクが高いことです。

主な症状

  • 目の痛み(特に強い痛み)

  • 視力低下

  • 目の充血

  • 光がかすんで見える

  • 頭痛や吐き気(眼圧が極端に高い場合)

どうして眼圧が上がるのか?

新生血管が虹彩や隅角に広がることで、

目の中の房水(ぼうすい:目の中を循環する液体)の排出が妨げられます。

その結果、目の中の圧力(眼圧)が異常に高くなり、視神経が圧迫されてダメージを

受けてしまいます。

治療方法

新生血管緑内障は、進行が早く非常に難治性のため、早期の治療が重要です。

主な治療法

レーザー治療(網膜光凝固術)

新生血管の原因である網膜の酸素不足部分をレーザーで治療し、異常な血管の増殖を抑える。

抗VEGF薬の注射

目の中に直接、血管の異常増殖を抑える薬を注射する。

眼圧を下げる薬

点眼薬や内服薬で眼圧をコントロールする。

手術療法

薬やレーザーで効果が不十分な場合は、手術(濾過手術、チューブシャント手術など)

で房水の排出路を確保する。

予防できるの?

完全に防ぐことは難しいですが、以下のことが大切です。

🔵 糖尿病や高血圧の管理をしっかり行う

特に糖尿病網膜症の進行を抑えることが重要です。

🔵 定期的な眼科検診

糖尿病、網膜静脈閉塞症のある方は、定期的に眼科を受診し、

早期発見・早期治療を心がけましょう。

まとめ

  • 新生血管緑内障は、異常な新生血管が原因で眼圧が急上昇する、非常に危険な緑内障

  • 主に糖尿病網膜症や網膜血管障害が原因

  • 放置すると失明のリスクが高いため、早期発見・早期治療が必須

  • レーザーや注射、薬物治療、必要に応じて手術も選択される

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