近年、スマートフォンや家庭用ゲーム機、オンラインゲームなどの普及により、1日数時間以上も画面を見続ける生活が一般的になりました。「長時間ゲームをすると目が悪くなる」とは昔からよく言われることですが、緑内障のような深刻な眼疾患とゲームとの間に、どのような関係があるのでしょうか。
本記事では、「緑内障 ゲーム」および「緑内障 原因 ゲーム」という観点から、医療専門家の見解や研究報告を交えながら、ゲームと視神経への影響、予防のための生活習慣、そして目の健康を守る工夫について詳しく解説します。
緑内障とは?目の神経に起こる静かな進行
まず、緑内障とはどのような病気なのかを整理しておきましょう。
● 緑内障の基本概要
緑内障(Glaucoma)は、視神経が慢性的にダメージを受けることで、視野が徐々に欠けていく病気です。眼圧(目の中の圧力)が上昇することで神経が圧迫されることが主な原因とされますが、正常眼圧緑内障と呼ばれるタイプもあり、必ずしも眼圧が高い人だけが発症するわけではありません。
● 自覚症状が乏しい「サイレントキラー」
初期にはほとんど自覚症状がなく、視野の欠損が気づかないまま進行するのが特徴です。日本では失明原因の第1位が緑内障とされており、40歳以上の20人に1人は何らかの形で緑内障を有しているともいわれます。
ゲームと目の疲労の関係
● デジタル機器が目に与える影響
現代社会では、スマホゲームやPCゲーム、VRなど、視覚を酷使する機会が増えています。
ゲームをしているとき、私たちは集中しすぎて瞬きの回数が減り、眼球が乾燥(ドライアイ)しやすくなります。また、画面を長時間凝視することで、毛様体筋が緊張し続け、眼精疲労や調節障害を引き起こします。
● ゲームが緑内障の「直接の原因」ではない
医学的には、「ゲームそのものが緑内障を引き起こす」という明確な因果関係は報告されていません。しかし、長時間のプレイによる血流低下や眼圧上昇など、間接的に悪影響を及ぼす可能性はあります。
「緑内障 原因 ゲーム」と言われる理由
● 1. 姿勢と眼圧上昇の関係
ゲームをする際、多くの人が前傾姿勢で長時間画面を見つめます。このとき首や肩に力が入り、頭部への血流が滞り、眼圧が一時的に上昇することがあります。とくに暗い部屋でのプレイや、寝転んだままスマホを操作する姿勢は要注意です。
● 2. 睡眠不足による眼圧変動
深夜までゲームを続けて睡眠不足になると、自律神経のバランスが崩れ、血圧や眼圧のコントロールが乱れます。これが視神経の血流を悪化させ、緑内障の進行リスクを高める要因となり得ます。
● 3. 目の血流と視神経への酸素供給
視神経は非常に繊細な組織で、血流が少しでも低下するとダメージを受けやすくなります。
ゲーム中は集中しているため呼吸が浅くなりがちで、酸素供給が減少することがあります。
こうした微妙な血流障害の積み重ねが、長期的に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
医師・専門家の見解
眼科医の多くは、「ゲームそのものよりもプレイ環境や生活習慣の影響が大きい」と指摘しています。
「ゲームが直接の原因になることはありません。ただし、長時間の集中による血流障害や姿勢の悪化が、緑内障のリスクを間接的に高める可能性はあります。特に家族に緑内障の既往がある方は、定期的に眼科検診を受けることが大切です。」
― 眼科専門医・視神経疾患研究会会員 医師コメント
ゲーム好きでもできる!緑内障予防のための生活習慣
● 1. 1時間に1回は休憩を取る
世界保健機関(WHO)や日本眼科学会も推奨している通り、1時間に5〜10分の休憩をとるだけでも、目の負担は大きく軽減されます。遠くを見る「遠近運動」や、軽いストレッチも効果的です。
● 2. 適切な明るさの環境を保つ
暗い部屋で明るい画面を凝視するのは、瞳孔が開いた状態で強い光が入り込み、網膜や視神経への負担が増します。照明はやや明るめに設定し、画面の明るさは周囲の照度に合わせましょう。
● 3. 姿勢と距離を意識する
スマートフォンは目から30〜40cm、PCモニターは50〜60cmほど離して使用するのが理想です。
首を前に出しすぎず、背筋を伸ばすことで、眼圧上昇を防ぐ効果も期待できます。
● 4. 規則正しい生活と睡眠
緑内障のリスクを高めるとされるのが、「夜更かし」「睡眠不足」「ストレス過多」。
特に、夜間の眼圧上昇は知られたリスク要因です。就寝前に長時間ゲームをする習慣は見直しましょう。
若年層にも増加中の「ゲーム疲れ眼」
緑内障は中高年の病気というイメージがありますが、近年では20〜30代でも視神経に変化が見られるケースが増えています。特にスマホゲームやeスポーツなどで長時間プレイする若者の中には、「視野が欠ける」「片目がぼやける」などの症状を訴える例も報告されています。
● ゲーム障害との複合リスク
WHOでは2019年に「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を正式に疾病分類に追加しました。
精神的な依存だけでなく、身体的な健康への悪影響も指摘されています。視神経ダメージ、睡眠障害、姿勢異常、眼精疲労といった複合的なリスクを理解しておくことが大切です。
緑内障の早期発見が何よりも重要
緑内障は一度失われた視野は元に戻らない病気です。
だからこそ、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
● 定期検診のすすめ
40歳を過ぎたら、年に1回の眼科検診を受けることが推奨されています。眼圧測定・眼底検査・視野検査などを行うことで、初期段階の緑内障も発見可能です。
● 家族歴がある場合は特に注意
親や兄弟に緑内障がある場合、自分も発症リスクが4倍以上高いという報告もあります。ゲームの有無に関係なく、遺伝的な要素も考慮して、継続的にチェックしましょう。
ゲームとの上手な付き合い方
● 適度に楽しむことが大切
緑内障を予防・管理する上で、ゲームを完全にやめる必要はありません。むしろ、ストレス解消やコミュニケーションの一環として適度に楽しむことは、メンタルヘルスに良い影響を与えます。
重要なのは「時間」「環境」「姿勢」の3つのバランスを保つことです。
● ブルーライトカット・眼鏡の活用
ブルーライトは網膜への刺激が強く、睡眠リズムを乱す原因にもなります。緑内障患者や眼精疲労を感じる方は、ブルーライトカット眼鏡やナイトモードの活用がおすすめです。
● 目の血流を促す生活
ウォーキングや軽い運動、バランスの取れた食事(ルテイン・ビタミンB群・オメガ3脂肪酸など)も、視神経の健康維持に役立ちます。
専門家コメント(眼科医・視能訓練士)
「ゲーム自体が緑内障の直接的な原因になることはありませんが、生活習慣の乱れが引き金になることはあります。緑内障の人は、夜遅くのプレイや長時間の集中を避け、こまめに目を休める意識を持つことが重要です。」
― 視能訓練士(国家資格)・眼科勤務10年
まとめ:ゲームと緑内障は、付き合い方次第
| 観点 | ポイント |
| 原因関係 | ゲーム自体が緑内障を引き起こすわけではない |
| 影響要因 | 長時間のプレイ・姿勢・睡眠不足・血流低下 |
| 予防策 | 休憩・明るさ調整・姿勢・定期検診 |
| 注意対象 | 家族歴がある人、40歳以上の人、眼圧が高めの人 |
緑内障は「静かに進行する病気」です。ゲームは悪者ではなく、適切な距離感と習慣づくりで楽しく続けることが可能です。目の疲れや違和感を感じたら、早めに眼科を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。
