はじめに
「緑内障とうつ病は関係あるの?」と
思ったことはありませんか?
緑内障と聞くと、眼の病気というイメージが強いですが、
実は精神的な側面、特に「うつ病」と深く関係していることが
近年の研究でわかってきました。
本記事では、
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緑内障とうつ病の関係性
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なぜ心のケアも重要なのか
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実際に気をつけるべきポイント
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両方を抱える方のための対処法
を、医学的な知見と共にわかりやすく解説していきます。
第1章|緑内障とは?うつ病と関係するそのメカニズム
● 緑内障の基本理解
緑内障は、視神経に障害が生じることで視野が徐々に狭くなっていく眼の病気です。
日本では中途失明の原因第1位とされ、40歳以上の20人に1人が
発症していると推計されています。
発症初期は自覚症状がほとんどなく、気づいた時には進行していることもあります。
失った視野は戻らないため、早期発見と治療の継続が重要です。
● うつ病の基本理解
うつ病は、気分が落ち込む、やる気が出ない、眠れないといった
症状が続く精神疾患で、現代日本において非常に多い病気です。
心の病と思われがちですが、脳内神経伝達物質の異常など、
身体的な要因も関係しています。
第2章|緑内障とうつ病の意外な関係性
● 視野の欠損がもたらす心理的影響
緑内障の患者は、視野の欠損が進むほどに、
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将来への不安

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運転や仕事への支障
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日常生活の不便さ
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社会的孤立
など、心理的なストレスを強く抱えるようになります。
これが、慢性的な不安感や抑うつ状態に繋がることは珍しくありません。
● 実際の調査結果
ある医学論文では、緑内障患者のおよそ30%にうつ症状が認められた
という報告があります。
さらに、視野障害の重症度とうつ病の発症率には相関関係があるとされており、
視力の低下が進むほど心の健康にも悪影響を与えることがわかっています。
第3章|脳レベルで見る「緑内障とうつ病」の共通点
● 神経変性という共通項
緑内障は、単なる眼圧の病気ではなく、
近年では「神経変性疾患」と捉えられつつあります。
視神経を通して脳に情報を伝える経路が障害され、
視覚中枢や大脳皮質にも影響を及ぼす可能性が指摘されているのです。
一方、うつ病も脳の前頭前野や扁桃体、海馬といった
感情・意欲を司る部分の機能低下が見られる病気です。
特にセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の異常が
関与しており、緑内障と共通するメカニズムがあります。
● 研究例:脳の構造変化
MRIを用いた研究で、緑内障患者は視覚以外の脳領域にも萎縮が
見られることがあり、これはうつ病患者と似たパターンを
示すことが報告されています。
第4章|緑内障によってうつ病が悪化するケースも?
● 日常生活への支障
視野が狭まることで、
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歩行中に物にぶつかる
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信号や標識が見えにくい
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人の顔が判別しづらい
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運転を諦める必要がある
といった状況が生まれ、生活の質(QOL)が著しく低下します。
これにより、社会的孤立・無力感・自己否定感が強くなり、
うつ病の引き金となることがあります。
● 家族・職場との関係悪化
視野の変化は目立ちにくいため、周囲に理解されづらいのも特徴。
家族や職場の人間関係に支障が出ることも、メンタルに悪影響を及ぼします。
第5章|緑内障とうつ病、薬の相互作用にも注意!
● 抗うつ薬と眼圧の関係
うつ病の治療にはSSRIや三環系抗うつ薬が使われますが、
一部の薬は眼圧を上昇させる作用があるため、
緑内障患者にとってはリスクが高まります。
特に注意が必要なのは、
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アミトリプチリン(トリプタノール)
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イミプラミン(トフラニール)
などの三環系抗うつ薬です。
● 精神科と眼科の連携が大事
うつ病を治療する際には、必ず眼科医と精神科医の情報共有が必要です。
適切な薬剤を選ぶことで、眼圧を悪化させずにうつ症状を
コントロールすることが可能です。
第6章|実体験から学ぶ:緑内障とうつ病の併発事例
実際に、緑内障とうつ病を併発した50代男性の事例では、
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緑内障による運転免許の返納
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家に閉じこもる生活
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睡眠障害と抑うつ状態
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抗うつ薬による眼圧悪化
という悪循環に陥ったことがありました。
しかし、カウンセリングを含めた精神療法、眼科の継続治療、
生活リズムの再構築を行ったことで、徐々に回復へと向かったそうです。
第7章|心と目、どちらもケアするための対策
● 早期発見がカギ
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40歳以上の方は定期的な眼科検診を受ける
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少しでも見え方に違和感があれば早めに受診
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うつ症状が出たら精神科・心療内科へ相談
● 心理的サポートの活用
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臨床心理士によるカウンセリング
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オンライン心理療法(CBTなど)
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SNSや患者会での情報共有
など、精神的な支援を受けることで、
緑内障とうつ病の悪循環を断ち切ることができます。
第8章|まとめ|緑内障とうつ病は無関係ではない!
最後に、本記事のポイントをまとめます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 緑内障とうつ病の関係 | 視野欠損による不安・孤独感がうつ病の要因になる |
| 共通メカニズム | 両者とも神経変性疾患としての側面がある |
| 注意点 | 抗うつ薬の眼圧上昇リスクに注意が必要 |
| 対策 | 心理的サポートと眼科・精神科の連携が重要 |
最後に
「緑内障は眼の病気、うつ病は心の病気」と考えるのはもう古いかもしれません。
これらは相互に影響しあう複雑な疾患であり、どちらかを無視して治療することは
望ましくありません。
もし今、緑内障によって気分の落ち込みや将来への不安を感じているなら、
それはあなたが弱いからではありません。自然な心の反応なのです。
大切なのは、正しく向き合い、適切にケアすること。ひとりで抱え込まず、
医療の力を上手に借りながら、心と目の健康を保っていきましょう。


