緑内障の治療法として、もっとも基本的なのが点眼薬の使用です。
おもに眼圧を下げるための目薬になります。
効果を最大限に得るためには、正しく使用することが
欠かせないのですが、実際は緑内障患者さんの半数近くが
誤った使い方をしているともいわれています。
正しい使い方と頻度を徹底するようにしましょう。
点眼スケジュールを守ろう
患者が医師の指示にきちんと従うことを「コンプライアンス」といいます。
自宅での服薬などは、まさにコンプライアンスが大切です。
緑内障に限らず、多くの患者さんが薬の使用頻度を
独断で変更しがちです。
たとえば1日3回とあるところを、勝手に2回にしたことは
多くの人に経験があるのではないでしょうか?
しかし一時的な風邪などならともかく、緑内障のように
長期的な治療が必要とされる「慢性疾患」の場合は、
しっかり指示にしたがって薬を使うことが欠かせません。
使ったり使わなかったりとムラがあると、
進行を早めてしまうことにつながります。
緑内障の場合、治療の効果をなかなか実感しにくいのですが、
眼圧の上昇を確実に防ぐためにも、点眼スケジュールをかならず守りましょう。
点眼薬は眼圧を一時的に下げるものであり、
指示にしたがって使わなければ効果を持続させることができません。
ただし何らかの副作用が起きた場合は、いったん使用を中止して
すみやかに医師に相談することが大切です。
目にしっかりと吸収させよう
点眼薬は使い方も大切です。
緑内障の治療では、2つの点眼薬を併用することも多いのですが、
1つをさした後すぐに2つ目をさすと、最初の目薬が
洗い流されてしまうことがあります。
最低5分間は間隔をあけて使用するようにしましょう。
点眼薬をさす場合は、かならずゆったりと座ります。
上を見上げた状態で、下まぶたを下に引っ張り、
薬の入る小さなポケットを作りましょう。
そして1滴をさしたら、そのまま2分ほど目を閉じて
薬をよく吸収させます。
ただし強く閉じすぎると、
薬があふれてくることがありますので注意しましょう。
目頭を指先で軽く押さえたまま、そっと目を閉じるのが効果的です。
また目から鼻へと流れないように気をつけましょう。
涙は自動的に鼻涙管という管を通って、鼻に流れていってしまいます。
薬が鼻にいくと、そのまま血中に吸収されて
他の臓器に影響を与えることもあります。
かならず目の中に吸収させることを心がけましょう。